演奏会
バロック・ヴァイオリンのエンリコ・オノフリが、チパンゴ・コンソートの面々とともにリサイタルを行いました。プログラムは、バロック期のイタリア人音楽家の作品を中心に、そこに同地で修行をしたヘンデルの曲をアクセントとして取り入れたものです。 彼ら…
シルヴァン・カンブルランが読売日本交響楽団を率いてベルリオーズの《ロミオとジュリエット》を演奏した。大掛かりな管弦楽と合唱、そして独唱陣が必要なこの「劇的交響曲」は、実演される機会が少ない曲のひとつだ。ローラン・ナウリ(拍手!)を筆頭に、…
新日本フィルハーモニー交響楽団 第481回定期演奏会 2011年7月28日 東京・サントリーホール クリスティアン・アルミンク(指揮)/イザベレ・ファウスト(ヴァイオリン) アルミンク率いる新日本フィルが7月28日、サントリーホールで今期の最終公演を行いま…
高田泰治チェンバロ・リサイタル 5月8日(日) 15:00 ボーゼハウス「夏の間」J・S・バッハ 《6つの小さなプレリュード》BWV933-938 J・S・バッハ 《パルティータ第2番 ハ短調》BWV826 J・S・バッハ 《4つのデュエット》BWV802-805 J・S・バッハ 《…
バッハがオルガニストの職を初めて手にした街・アルンシュタット(写真・アルンシュタットのバッハ像)。18歳の若きバッハが意欲に燃え、ときには勇み足で周囲と喧嘩しつつ縦横無尽に活躍しました。かつて彼が奉職した教会は「バッハ教会」と名前を変え、300年…
新日本フィルとの共演のため、日本に滞在中のフランス・ブリュッヘン。2月26・27日はその総決算、バッハ≪ミサ曲ロ短調≫BWV232の公演です。 ≪ロ短調≫の成立過程には謎が多く、なぜこのミサ曲が作曲されたのか、バッハ学者の間でも論争になっています。宗教的…
承前(《第8》の様子はこちら) ブリュッヘン指揮、新日本フィルの「ベートーヴェン・プロジェクト」最終回、2月19日、すみだトリフォニーホールでの《第8番》《第9番》を、2回に分けてお伝えするシリーズの第2回。練習の様子、《第9》の位置づけ、当…
ブリュッヘン指揮、新日本フィルの「ベートーヴェン・プロジェクト」もいよいよ最終回。2月19日、すみだトリフォニーホールで《第8番》と《第9番》を聴きました。最終回の模様を2回に分けてお知らせします。第1回は《第8交響曲》について。《第8》がど…
ブリュッヘン&新日本フィルの「ベートーヴェン・プロジェクト(交響曲全曲演奏会)」も後半戦の第3回。2月16日のプログラムは《第6番「田園」》と《第7番》です(すみだトリフォニーホール)。これまでの演奏会を振り返り、この第3回がいっとうすばらしか…
世の中には「似てない双子」というのがいまして、非常に興味深い観察対象です。というのも、「似てない双子」には注目すべき点が2つあり、それらが互いに背反する事柄だから。1つは「似てない双子」の「似てなさ」。もう1つは「似てない双子」の「双子ぶ…
古楽の先頭を走り続ける音楽家フランス・ブリュッヘン。リコーダー、トラヴェルソ、サワークリーム(リコーダーバンド)、18世紀オーケストラと活躍の場を広げ、モダンの管弦楽団を指揮するところまできました。日本でのパートナーは新日本フィル。このコンビ…
2月6日に足を運んだのは静岡音楽館AOIホール。アンドレアス・シュタイアーの日本ツアーのスタート地がここ、静岡なのです。シュタイアーは、ドイツ古楽の屋台骨を支える古典鍵盤楽器奏者。このたびバッハとシューベルト/シューマンを引っさげ、日本にやって…
チェンバロにフォルテピアノに活躍するドイツの古典鍵盤楽器奏者、クリスティーネ・ショルンスハイム。バッハをはじめとするバロック期のチェンバロ音楽はもちろん、フォルテピアノで19世紀の音楽を演奏することも。旋律楽器の伴奏も積極的に引き受けるその…
10月30日、久しぶりに北とぴあに足を運びました。お目当ては「声明と雅楽 アンサンブル遊聲 コンサート2010」。タイトルの通り、仏教音楽の聲明と日本古典音楽の雅楽とを組み合わせたコンサートです。古来、両者の組み合わせはめずらしくないもの(たとえば…
4年ぶり3回目の来日 ニコラウス・アーノンクール。1953年にピリオド楽器の楽団コンツェントゥス・ムジクス・ヴィーンを結成、以後いまにいたるまで古楽の最前線を走り続けて来た音楽家。生涯最後の楽旅の地を日本と定め、バッハ<ミサ曲ロ短調>、ハイドン…
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は、現存する最も古い西洋式オーケストラ。演奏会に「来るとマズイ」でおなじみ、クルト・マズア(マズアのまずい演奏はこちら)に率いられていた時期のゲヴァントを良いと思ったことはありませんが、カペルマイスター(…
ブレンデルに何かと縁がある。と言っても、行く先々で彼の演奏会に出くわす程のこと。ヴィーンで、ハンブルクで、ベルリンで。それとて彼の旺盛な演奏活動が理由に他ならないわけだ。しかし、今まで彼の演奏に感心したことはなかった。知的で中庸とされる彼…
日本テレマン協会の「ベートーヴェン交響曲全曲&合唱幻想曲・荘厳ミサ曲」シリーズの第4夜(6月20日、大阪・いずみホール)。プログラムは<第7番イ長調>と<第8番ヘ長調>。作曲当時の楽器・奏法・編成、そしてメトロノーム記号を踏まえての演奏です。…
日本テレマン協会の「ベートーヴェン交響曲全曲&合唱幻想曲・荘厳ミサ曲」シリーズの第5夜(7月18日、大阪・いずみホール)。プログラムは<合唱幻想曲ハ短調>作品80と<第9番ニ短調>作品125。作曲当時の楽器・奏法・編成、そしてメトロノーム記号を踏…
ベートーヴェンの9つの交響曲が革新の過程をたどっていて、たまにひと休み(第4、8番)しつつも、その方向性は第9番で極まる、という直線的進歩史観は「つまずきの石」。この進歩史観を支えているのは、9つの交響曲をすべて同一のジャンルとみなすジャ…
日本テレマン協会の「ベートーヴェン交響曲全曲&合唱幻想曲・荘厳ミサ曲」シリーズの第3夜(大阪・いずみホール)。プログラムは<交響曲第4番変ロ長調>と<第6番ヘ長調「田園」>。作曲当時の楽器・奏法・編成、そしてメトロノーム記号を踏まえての演…
今年、生誕百周年を迎えたヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者, 1908-1989)。生誕何年という言い方は皮肉にも、通常、故人に対して用いられる。だから指揮者の100回目の誕生を祝うことと、彼の死を思うこととは同義と言えよう。カラヤンは20世紀後半、正確…
日本テレマン協会の「ベートーヴェン交響曲全曲&合唱幻想曲・荘厳ミサ曲」シリーズの第一夜(大阪・いずみホール)に出かけました。プログラムは<第一番ハ長調>と<第三番変ホ長調「英雄」>。作曲当時の楽器・奏法・編成、そしてメトロノーム記号を踏ま…
高田泰治(たかたたいじ)さんは、モダンピアノ、フォルテピアノ、チェンバロを弾きこなすマルチ鍵盤奏者。関西を拠点に、師である中野振一郎さんや、所属する日本テレマン協会の公演で活躍しています。このたび東京での初リサイタルに挑み、軽やかながら密…