La Follia ― イタリアン・バロックのソナタ&協奏曲(江崎浩司ほか)



La Follia ― イタリアン・バロックのソナタ&協奏曲
江崎浩司(Rec, Baroque Ob), 宮崎容子, 廣海史帆(以上Baroque Vn.), 深沢美奈(Baroque Va.), 西澤央子(Baroque Vc.), 中村恵美(Cem.) [MH-2154]

17、18世紀の管楽器を自在に操る江崎浩司が、リコーダーとオーボエの二本差しでイタリアのバロック音楽を紹介。マルチェッロの《オーボエ協奏曲》やサンマルティーニの《ソプラノ・リコーダー協奏曲》といった有名曲から、ドレイヤーの《オーボエソナタ》、ビガーリャの《リコーダー・ソナタ》といった知られざる曲までを並べる。この並びから、中程に置かれた二つの《ラ・フォリア》が浮かび上がるところに構成の妙。とくにコレッリのそれは、同じ楽器による直前のバルサンティ《リコーダー・ソナタ》と音色の違いがはっきりしていて、冒頭から引き込まれる。弦楽と通奏低音の奏者も達者で緊張と緩和の彫り込みに余念がない。

初出:音楽現代 2013年8月号