ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン東京2013のまとめ



5月3日

【LFJ】中野振一郎の「第二古楽」▼「第一古楽」を知り尽くした人だからできる戦前スタイル▼EIC(ウイセ)の20世紀音楽(Aプロ)▼ブーレーズ作品、ある時はPfの上に倍音を重ね、またある時は下に基音を据える▼ところでラヴェルでヴィブラートびろびろなのはなぜ?

【LFJ】ヴォックス・クラマンティス、おすすめ!▼精度の点で欧州の合唱団としては中の中ながら、プログラムとそのプレゼンテーションとが優れている▼グレゴリオ聖歌とそれに関連した20世紀作品とを交互に置き、中心に世俗語(オイル語?)のモテット▼全体でキリストの受難曲

。o O(中野振一郎さんにもらった阿闍梨餅に命を救われた……)
【LFJ】リチェルカール•コンソート、歌手の出演取りやめでプログラム変更ながら、マレ2曲を加え素晴らしいリカバリー▼フランス人とスペイン人の気質を比較した挙句、最後にはどちらも「未開人」とするサゲ▼パリのエスプリだ(笑)

【LFJ】アンサンブル・アンテルコンタンポランのピアニスト、何者?▼音域によって違う音色(下手すれば鍵盤ごとに違う)、(調性なら調性の無調なら無調の)力動性、精確度、どことっても一流▼ほほう、ディミトリー・ヴァシラキス(Dimitri Vassilakis)か

【ピアニスト・ヴァシラキス】「Dimitri Vassilakis」で検索しててっぺんに出てくるテリー・サバラスみたいなサキソフォン奏者は同姓同名の別人▼ああいう人こそバッハなどを演奏すべき、と話していたら案の定、録音あり


5月4日

。o O(若手有望株なる指揮者も和声知らずか……。しかしまあ、聴いたのが五千人の大箱だから早計かしら。いや逆に、五千の箱で「緊張と緩和」をきちんと描けないのなら、モダンオケの存在意義なんてないわねえ)

【LFJ】川瀬&読響からのトリオ・ヴァンダラー▼ドイツの三人組かと思ったらパリで結成とのこと▼ヴァイオリンとチェロの音色が近く、ピアノの左手が低弦楽器風でVn&Vcとの親和性が高い▼ピアノトリオはこうでないとね▼ベートーヴェンとか似合いそう

【LFJ】ジローのピアノ▼名前だけ聞くと「小豚ダブル」みたいなぎとぎとした演奏をしそうだが、実際は階調の極めて豊かな水墨画の趣き▼和声感はきちんとしているけれど、スタイルが19世紀風なので、冒頭の18世紀音楽が1860年代物に聴こえた(苦笑)▼真っ当な(方の)ピアニスト

【LFJ】アンテルコンタンポラン▼ブーレーズの《フルート・ソナチネ》は「フラッター覚えたのでやってみた」な風情のブルブル曲▼それにしても、ブーレーズにしろマヌリにしろ地の音(特殊奏法でない音)に常にヴィブラートがかかるのはなぜ?▼そういう指示?現代音楽の演奏習慣?

【LFJ】アンテルコンタンポランのマヌリ《ミシガン・トリオ》、「クラリネットがピアノの筺体にベルを突っ込んで発音、ピアニストがダンパーを解放しているのでピアノの弦が共鳴してかすかに響く」というハーモニクス技法が面白かった▼身振りの面白さが八割だけれども(それもそれなりに重要)


5月5日(この日は護国寺チベット・フェスティヴァルへ。バター茶の威力に当てられる)

。o O(【LFJ】フランス&スペインがテーマなのに「黄金の」18世紀以前が極端に少なかったり、来年の10年総括にバッハが入っていなかったりということが、再来年「古楽」への布石であるのなら、まあ、ヨシとしよう)


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