ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン おすすめ公演!


ラ・フォル・ジュルネ有料公演の被災地支援方針について追記あり

 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンが、このたびの国内情勢を受けて全券払い戻しになった時は、これはなかなか難儀であるなと思いました。しかし、困難な状況を乗り越えて新プログラムの発表にいたったのは、いち音楽ファンとしてありがたいことです。
 それでプログラムを眺め、これには足を運びたいなあ(実際に行けるかは別として)と思える公演をピックアップ。チケットの入手が難しいかもしれませんが、検討する価値はありますよ。


5月4日(水) 13:45-14:30 (G-26c) ヴェルナー(バス・バリトン), 鈴木優人(ピアノ)
マーラー亡き子をしのぶ歌》, ブラームス《4つの厳粛な歌》op.121


5月4日(水) 17:00-17:45 (D-25b) プスール(ソプラノ) , ナー(フルート)ほか
シェーンベルク《6つのピアノ小品》op.19, シェーンベルク月に憑かれたピエロ》op.21


5月5日(木) 16:30-17:15 (C-344) 下野竜也(指揮), 読売日本交響楽団
ブラームス交響曲第2番 ニ長調》op.73


5月5日(木) 11:30-12:15 (Y-38a) ギュイヨ(クラリネット), シュトロッセ(ピアノ)ほか
望月京インテルメッツィ IV》(LFJ委嘱作品, 世界初演), ブラームスクラリネットソナタ第1番 ヘ短調》op.120-1, ブラームスクラリネット五重奏曲 ロ短調》op.115


 プログラム上、ブラームスが多くなるのは致し方ないにしても、当方の好みが偏り過ぎかとも思います。とはいえ、聴くにふさわしい曲ばかり。
 「G-26c」では、歌手のヴェルナーさんはもちろん、歌に通じたピアニスト・鈴木優人さんの活躍に注目。つづいて「D-25b」。学生時代、大先輩でシェーンベルク研究家の樋口隆一さんに《月に憑かれたピエロ》の分析を叩き込まれたのを懐かしく思い出します。「寄木細工のような表現主義」と言ったところでしょうか。
 ブラームス交響曲でもっともよく聴くのが「C-344」で演奏される《交響曲第2番 ニ長調》。コントラバスがD↓Cis↑D↓Aの冒頭を弾き出すだけで、ブラームスのリズムマジックの世界に巻き込まれたような気になります。「Y-38a」。むかし、クランポンのR13という楽器を衝動買いし、クラリネットの世界にいっとき身を投じたことがあります。あこがれはブラームスソナタと五重奏曲でした。楽器はすでに人手に渡りましたが、若気の至りの思い出とともにあの美しい旋律に耳を傾けたいと思います。望月さんの新作にも期待が高まります。
 

*なお、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン有料公演の被災地支援方針について、同事務局から以下の通りお示しいただきました。
「会場に設置した募金箱の中身は全額寄付します。入場料については収益の一部を寄付しますが、その具体的なパーセンテージは未定で、売り上げ次第です。」
とのこと。いわゆる「チャリティ公演(収入から必要最小限の経費を除いた収益を全額寄付)」とは異なりますので、チケットの購入に際し、みなさまにおかれましては以上の点にご留意ください。


*上記の問題に関連し、「寄付金に関する収支報告は行われるのか、またその時期はいつで、方法は」という問いに対して、以下のようにお示しいただきました。(4月26日現在)
「収支報告は事業終了後に行う。具体的な時期や方法についてはまだ何も決まっていない」とのこと。



*LFJのチケット払い戻しに関するドイツ第三帝国」の見解(冗談が分かる方はどうぞ)
http://bit.ly/fosn0C