「東京の初夏 音楽週間」第1夜・第2夜のご案内


 チャリティ企画「東京の初夏 音楽週間」の概要はすでにお知らせの通りですが、いろいろと厄介がありましたので、仕切り直して第1夜と第2夜のご案内を申し上げます。

 5月3日(火)の第1夜は「古楽東西 -- 中東の琵琶ウードと11弦ギター」。アラビアの古楽器ウードを常味裕司さんに、ギターを明石現さんに演奏していただきます。案内人は北中正和さんにお願いいたしました。
 リュート族の中でもとりわけ古い歴史を持つウード、名前はズバリ「木」を意味しています。木製の胴に絹かガットの弦。ウードは今も、自然の営みを内に宿しています。一方ギターは、リュート系弦楽器の欧州近代的な現れと言って良いかもしれません。整った姿と音調、充分な音量。当夜は11弦ギターも登場します。
 さて、そんな2つの楽器が一堂に会したら、散らすは火花か花びらか。丁々発止の掛け合いも、優しく溶け合う音の重なりも、すべては有楽町で明らかに。必聴です。
常味裕司(つねみ・ゆうじ)明石現(あかし・げん)北中正和(きたなか・まさかず)


 5月5日(木)の第3夜は「響き、再発見 -- 正倉院復元楽器の世界」。正倉院に伝わる楽器たち、なかには残欠のものもあります。それらを復元し、古代楽器の新しい響きを音楽運動に結びつけて来たのが木戸敏郎さんです。このたびはその木戸さんに案内人をお願いし、正倉院復元楽器の世界をたっぷり紹介していただこうと思います。
 出演は佐々木冬彦さん。正倉院復元楽器の箜篌(くご)を演奏してくださいます。箜篌は、L字型の枠の二辺に弦を渡したハープで、その復元には大変なご苦労があったと聞きます。そのあたりの裏話も楽しみ。聴き所は「水調子」。はて、何のことか? 答えは会場で。笹本武志さんの演奏してくださるのは和声パンフルート・排簫(はいしょう)。首を動かしながら演奏する欧州パンフルートとは違い、排簫は楽器の方を動かして演奏します。会場でぜひ観察していただきたいところです。
佐々木冬彦(ささき・ふゆひこ) 笹本武志(ささもと・たけし)木戸敏郎(きど・としろう)


「東京の初夏 音楽週間」

日時:5月3日(火), 5日(木) 開演18:30(予定)
場所:相田みつを美術館第2ホール(東京国際フォーラム) 
料金:1500円(収益を東日本大震災の被災地に寄付)
主催:三田樂所/共催:相田みつを美術館
協力:久保田チェンバロ工房, 木戸敏郎, 北中正和

楽しみ方:予約は必要ありません。直接、会場にお越し下さい。お支払いは当日受付で承ります。ウエシマ作戦を発動します。座席やスペースをゆずり合いの上、お楽しみください。江戸っ子作戦も発動します。一度は言ってみたい憧れのあの言葉「釣りはイラねえよ」を言うチャンスです。

5月3日(火)「古楽東西--中東の琵琶ウードと11弦ギター」 ウード:常味裕司, ギター:明石現, 案内人:北中正和
5月5日(木)「響き、再発見--正倉院復元楽器の世界」 箜篌:佐々木冬彦, 排簫:笹本武志, 案内人:木戸敏郎