チェコ・フィル弦楽四重奏団 ヤナーチェク&マルティヌー

ヤナーチェク《草陰の小径にて》より, マルティヌー《室内協奏曲》ほか◇チェコ・フィルハーモニー弦楽四重奏団(弦楽四重奏)〔WWCC7870〕

 チェコ・フィル弦楽四重奏団は二〇〇〇年結成の若い団体。二〇一六年に初来日した。その演奏会を実況録音したのがこのCDだ。プログラムにはモーツァルトヤナーチェクマルティヌーの名が並ぶ。ライブ盤らしくプッチーニベートーヴェン作品によるアンコールも収録している。ていねいに出汁をとって、それなりの味噌をとけば、そこそこのおみおつけにはなる。不味いはずもない。そういう演奏だ。和声の緊張と緩和を、ぐっと掴みふわっと放すように弾く。そうした普通のていねいさが力を発揮したのがマルティヌーの《室内協奏曲》。協和音を協和するのはたやすいが、不協和音をどう不協和にするかは難しい。その点に手抜きのない仕事。



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