17・18世紀のドイツ語圏音楽史(第2回 / 全4回)

ドレスデン — シュッツ】

 ザクセンの宮廷所在地ドレスデンは17世紀、国力にふさわしい音楽部門をそなえていた。その中心にいた音楽家がハインリヒ・シュッツ(1585-1672)だ。中部ドイツに生まれ、貴族に才能を見出され、1609年にヴェネツィアに留学、帰国後オルガニストとしてデビュー、1615年にはドレスデンの宮廷に奉職した。
 シュッツがドレスデンに来たころ、宮廷音楽の責任を負っていたのはミヒャエル・プレトリウス(1571-1621)だった。プレトリウスヴェネツィアのスタイルをドレスデンに導入し、最新の音楽を宮廷で演奏していた。シュッツはそのタスキを受け取り、ドイツ語の力強さや味わい深さを、師カブリエリ仕込みの音楽で表現していった。
 ドイツとイタリアとを融合させるこうした試みは、ルター派の宗教音楽でもっとも成果を上げた。1628年には再びヴェネツィアに赴き、モンテヴェルディに師事。最先端の音楽を武器に、『シンフォニア・サクラ集』や『宗教的合唱曲集』、マタイ・ルカ・ヨハネの各受難曲など、宗教声楽曲を盛んに作曲した。プレトリウスにしてもシュッツにしても、イタリアの最新音楽を学び、それをドイツ語、とりわけルター訳聖書の言葉と出会わせることで、新たな局面を開いた。


〔CD〕
◇シュッツ・エディション◇ベルニウス(指揮), シュトゥットガルト室内合唱団 ほか



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