ルイジ・ボッケリーニ《6つの小弦楽三重奏曲》-- ラ・レアル・カマラ(若松, モレーノ & 鈴木)



ルイジ・ボッケリーニ《6つの小弦楽三重奏曲》作品47▼ラ・レアル・カマラ:若松夏美(ヴァイオリン), エミリオ・モレーノ(ヴィオラ), 鈴木秀美(チェロ)〔PGCD920313〕

18世紀オーケストラにゆかりの深い3人が、その18世紀の終わり、つまり貴族社会が終焉を迎える時代の小品を送り出した。ボッケリーニの当該作品には、その時代性がはっきりと現れている。簡潔なフォルムに込められた微細な語りの積み重ね。3人の演奏者はその点を抜かりなく表現する。「おしゃべり」を構成する子音の種類の多さ。その子音をあらかじめ発音し、母音を音符に乗せることによって実現する「語り」の流麗さ。こうした多彩な発音と、ハーモニーの緊張感の変化とが結びつけられることで、「繊細な編み目」が「大胆な柄」を織り出す。繊細さと大胆さのダイナミクスが、三重奏の親密さと、思いもよらぬ重層性とを描き出す。

初出:音楽現代 2015年6月号


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