プロイセンの宮廷音楽 ― ムジカ・レセルヴァータ(古楽アンサンブル)



「プロイセンの宮廷音楽」ムジカ・レセルヴァータ(古楽アンサンブル)〔ALCD-1139〕

「とっておきの音楽」という名前を持つアンサンブルの「とっておきの一枚」。フリードリヒ大王ゆかりの作品を特集した。グラウンやヨハン・ゼバスティアン・バッハカール・フィリップエマヌエル・バッハらの作品が並ぶ。フルート、ヴァイオリン、通奏低音の編成は、自身フルート奏者でもあった大王の好むところ。こういった複数種の楽器による編成をブロークンコンソートと呼ぶ。響きの多様性が身上。古楽器の場合はそこに、異種楽器間の音色の親和性が加わる。CDの演奏では、同一種楽器によるホールコンソートにも負けないまとまりと、ブロークンコンソート特有の多様性とが両立する。対位法音楽と和弦音楽とが共存する端境期を見事に表現。


初出:音楽現代 2013年12月号

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