《ロ短調ミサ曲》私録 V -- ガーディナーが首位をキープ!



 当方がこれまで実演に接した《ロ短調》の番付を発表するコーナーの第5回。今回の楽旅では2度、《ロ短調》の演奏会に足を運びました。5月のユンクヘーネル&カントゥス・ケルンが第2位に滑り込む佳演。さて、ライプツィヒ・バッハ音楽祭の千秋楽、ヤコプス指揮、バルタザール・ノイマン合唱団&ベルリン古楽アカデミーは何位に入ったでしょうか。
 まぁ、あくまで「私録」ですから、ランキング内容についてのクレームはご容赦ください(笑)。

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第1位 ガーディナー, モンテヴェルディ合唱団&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ライプツィヒ・トーマス教会, 2010年)
第2位 ユンクヘーネル&カントゥス・ケルン(アルンシュタット・バッハ教会, 2011年)
第3位 ヘンゲルブロック, バルタザールノイマン合唱団&同アンサンブル(同トーマス教会, 2009年)
第4位 NEW! ヤコプス, バルタザール・ノイマン合唱団&ベルリン古楽アカデミー(同トーマス教会, 2011年)
第5位 アーノンクール, シェーンベルク合唱団&コンツェントゥス・ムジクス・ヴィーン(サントリーホール, 2010年)
第6位 ブロムシュテット, ゲヴァントハウス合唱団&同管弦楽団(同トーマス教会, 2005年)
第7位 エリクソン, エリクソン室内合唱団&ドロットニングホルム・バロックオーケストラ(同トーマス教会, 2004年)
第8位 へレヴェッへ&コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(ケーテン・ヤコブ教会, 2010年)
第9位 ブリュッヘン, 栗友会合唱団&新日本フィルすみだトリフォニーホール, 2011年)
第10位 ノリントン, RIAS室内合唱団&ブレーメン・ドイツ室内管弦楽団(同トーマス教会, 2008年)
第11位 へレヴェッへ&コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(同トーマス教会, 2003年)
第12位 ビラー, トーマス合唱団&ストラヴァガンツァ・ケルン(同トーマス教会, 2006年)
第13位 シュミット=ガーデン, テルツ少年合唱団&コンツェルトケルン(同トーマス教会, 2007年)

問題外 コルボ, ローザンヌ声楽アンサンブル&同器楽アンサンブル(東京国際フォーラム, 2009年)←ここに並べるのがはばかられるほどひどく、内実のない演奏。コルボの「バッハに対する無理解/不勉強」が白日の下にさらされた。どういうわけか日本でだけ、もてはやされている。アンスバッハ、ケーテン、ライプツィヒの主要なバッハ音楽祭に彼らが呼ばれないことをもう少し冷静に見つめてはいかがか。
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2011年、これから聴く《ロ短調
延原武春指揮, テレマン室内合唱団&テレマン室内オーケストラ(いずみホール, 10月)
フェルトホーヴェン指揮, オランダ・バッハ協会(東京文化会館ほか, 12月)


 ユンクヘーネル&カントゥス・ケルンが第2位、ヤコプス指揮、バルタザール・ノイマン合唱団&ベルリン古楽アカデミーが第4位に入りました。両者の佳演でも、ガーディナーの圧倒的第1位は揺るがないわけで、2010年のあの《ロ短調》はもはや伝説です。
 これから聴く《ロ短調》の内、延原さん&日本テレマン協会のものは、ひと工夫ありの興味深い公演。まだ全貌を明らかにするわけには行きませんが、いまは「18世紀末”古典派”スタイル」とだけ言っておきましょう。


写真:バッハの墓(ライプツィヒ・トーマス教会)