「東京の初夏 音楽週間」プログラム情報

「東京の初夏 音楽週間」

日時:5月3日(火), 5日(木) 開演18:30
場所:相田みつを美術館第2ホール(東京国際フォーラム) 
料金:1500円(収益を東日本大震災の被災地に寄付)
主催:三田樂所/共催:相田みつを美術館
協力:木戸敏郎, 北中正和

楽しみ方:予約は必要ありません。直接、会場にお越し下さい。お支払いは当日受付で承ります。ウエシマ作戦を発動します。座席やスペースをゆずり合いの上、お楽しみください。江戸っ子作戦も発動します。一度は言ってみたい憧れのあの言葉「釣りはイラねえよ」を言うチャンスです。


5月3日(火)「古楽東西--中東の琵琶ウードと11弦ギター」
ウード:常味裕司   ギター:明石現   案内人:北中正和

[ウード・6弦ギター]
作者不詳《トリスタンの嘆き - ラ・ロッタ》(イタリア, 14世紀)
作者不詳《ハンガリー舞曲》(ハンガリー, 18世紀)

[11弦ギター]
エルンスト・ゴットリープ・バロン《ソナタ変ホ長調》より(ドイツ, 18世紀)

[ウード・ソロ]

[ウード・6弦ギター]
作者不詳《3つの舞曲》(フランス・ドイツ・イタリア, バロック期)
ベーラ・バルトークルーマニア民俗舞曲》(1914年)


5月5日(木)「響き、再発見--正倉院復元楽器の世界」
箜篌:佐々木冬彦   排簫:笹本武志   案内人:木戸敏郎

佐々木冬彦《黙想曲》[ハープ]
一柳慧《時の佇い II》[箜篌]
佐々木冬彦《恋歌》[ハープ]
サルツェード《夜の歌》[ハープ]
マクスウェル《引き潮》[ハープ]
ハーライン《星に願いを》[ハープ]
笹本武志《砂紋》(1998年)[ハープ・排簫] : ともに正倉院楽器である方響(※)と排簫のデュオとして作曲。後に、ハープと排簫にリアレンジした。果てしなく広がる砂丘を彩る紋様。それは風が残していった足跡。昨日、今日、明日、日々千変万化するこの砂と風のふれあいは、無限の幾何学模様を描きながら、荒涼とした大地の上に静かにくり返す。※方響 木枠に薄い鉄板をつるして桴で打つ金属製打楽器。(笹本武志)

雅楽《春鶯囀遊聲》[正倉院横笛] : 演奏時間が1時間を越す雅楽の大曲・「春鶯囀」の冒頭に演奏される曲。唐の高宗が鶯の声をきき、大楽令白明達に命じ、その声をもとに作らせたという。通常は龍笛で演奏されるが、今回は龍笛の原型である正倉院の横笛での演奏。(笹本武志) 

初演 笹本武志《草原情歌抄》ー中国民謡をモチーフにしてー (2011年)[正倉院尺八]: 中国を代表する民謡として世界中で知られている曲に「草原情歌」がある。今回、正倉院尺八を演奏するにあたり、草原情歌のメロディを軸に、中国の伝統笛の奏法を加味して作曲した。ほとんどの事典に「音量が微弱」と書かれている正倉院尺八の真の音量を確かめ、望郷に満ちた音色を味わって頂きたい。(笹本武志) 

笹本武志《いざよい》(2001年)[排簫] : 「いざよい」という言葉を辞書で引くと「1.ためらうこと、ぐずぐずすること、2.陰暦16日、3.十六歳」とある(「国語大辞典」小学館)。この三つの意味を並べると、やわらかな月の光に照らされる、初々しい二つの影が浮かんでくる。みやびなりし頃 さやけき夜 ためらいがちに肩寄せる若き二人 いつしか時は西に流れ ただ背を伸ばすいざよいの影。(笹本武志)

芝祐靖復曲《長沙女引》[箜篌・排簫] 正倉院楽器のために多くの古譜を復曲してきた芝祐靖氏の作品。排簫・箜篌・大篳篥阮咸による四重奏の曲として作られたが、今回は排簫と箜篌による演奏。長沙(中国湖南省)から都(長安)に出た女性が、故郷を想って歌ったという優しくのどかな旋律が耳に心地よい。(笹本武志)