ヴェルリッツの城館と庭園


 デッサウ中央駅には秘密のプラットホームがあります。そこから、水曜日と週末だけ単線・1両編成の電車が走ります。平均時速35キロののんびり旅。30分もすると終点のヴェルリッツに到着です。ここにデッサウ2つ目の世界遺産、城館と庭園があります。
 城館は中国風ありイタリア風ありの内装がなかなかの見もの。しかしそれだけなら、ヴィーンのシェーンブルン宮殿や、ポツダムのサンスーシ宮殿にかなうはずもありません。
 ヴェルリッツでなんといってもすばらしいのは、ドイツには珍しいイギリス式庭園です。エルベ川の流れをそのまま利用したプランは、日本風に言うと池泉回遊式でしょうか。112ヘクタールという広大な庭をめぐると、河畔の林を散策しているかのようなきもちになります。しかし各所に仕掛けがあり、ギリシャ神殿風の東屋や洞窟風の見晴台、ゴシック風のホールなどに突然出会います。庭園内はエルベ川が縦横に走っているので、対岸や中州に移動する手段は渡し舟。これもなかなかアトラクティヴです。
 シェーンブルンなどの庭園は見て楽しむフランス式。一方、ヴェルリッツの庭園は歩いて楽しむイギリス式。後者がお好みの方には、デッサウ・ヴェルリッツ、おすすめです!

*デッサウ中央駅からヴェルリッツへは、鉄道のほかバス(毎日運行)もあります。
写真:デッサウ・ヴェルリッツ城館