第2回


 5年1度の現代美術の祭典、ドクメンタ。2007年はベネツィアビエンナーレ(2年に1度)、ミュンスター彫刻プロジェクト(10年に1度!)も同時開催の年でした。ベネツィアは今後に譲るとして、ドイツ国内の2つ、カッセルとミュンスターへ。ここではカッセルの様子を復習します。聞きしに勝る盛り上がり振り。バカンスシーズンということもあり、お客様もみな、ことのほか楽しげでした。

カッセル・ドクメンタ(1)波間

 ドクメンタの主会場、フリデリチアヌム。2階の展示場には大きな彫刻作品が部屋いっぱいに広がっています。波打つアクリル板を、金属製のパイプが骨の役割を果たし支える構造。周囲を歩いたり、アクリル板をくぐったりしていると、波間や雲間を渡っているような気分がして来ます。「巨大さ=崇高」という古典的美的範疇には、客体との一定の距離が前提とされているけれど、この巨大な構造体の場合、積極的に接近し内側に入り込んでこそ真価が分かります。より建築に近いですね。

(作品キャプションは近日中に付けます)