第1回


 わたくしの2007年はドイツのお祭り三昧。「ベルリン国際映画祭」→「カデンツァ・バロック音楽祭ベルリン」→「ライプツィヒ・バッハ音楽祭」→「アンスバッハ・バッハ週間」→「カッセル・ドクメンタ」→「ミュンスター彫刻プロジェクト」→「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭」、と断続的に渡り歩きました。この場を借りて復習します。私家版です。

ミュンスター彫刻プロジェクト(1)
アートとゴミの抜き差しならぬ関係

 2007年、夏。ミュンスターにやってきました。10年1度の彫刻プロジェクトが目的の訪問ですが、この祭典に提供されたアートの多くは街に残されるので、時機を逸しても楽しむことが出来ます。さあ、街のあちこちに散らばるアート目指して、自転車をひたすら飛ばしましょう!

 さて、写真の奥に見えるのがゴミ収集車。手前がゴミ。ゴミの正体は、各地に置かれた「ペイントアニマル」の残骸です。これは、アーティストがペイントを施した樹脂製の動物模型を街角に置くイヴェントから出た、いわば「藝術産業廃棄物」。ベルリンでは熊、ライプツィヒでは獅子、東京でも牛が辻々に置かれました。ゴミ収集車には各地に置かれた動物の種類と地名、ゴミの方には、スポンサーが金を出している様子などが描かれています。
 ゴミばっかり増えるのが果たして現代的アートと言えるのか(環境未対応)?インタレーションってつまりゴミを出す運動のこと?といったことを物語っているようにも取れます。
 ちなみにショップで売っていた絵ハガキには手前の「ゴミ」だけが大写しにされています。それじゃ意味ないのですよね、奥も写さなきゃ、この場合は。

写真:ジークマン(独)『トリクルダウン 私有化の時代の公共空間』2007年