CD

Fairest Isle 美しき島 – イギリスの歌 パーセルとブリテン

Fairest Isle 美しき島 – イギリスの歌 パーセルとブリテン▼村井香子(ソプラノ), 竹内太郎(バロック・ギター&リュート), 平尾雅子(ヴィオラ・ダ・ガンバ), 今川裕代(ピアノ)〔ALCD-7188〕「2人のパーセル」を並べ、英国の歌の世界を描き出す1枚。パ…

ボッケリーニ《6つの小弦楽三重奏曲》- ラ・レアル・カマラ(若松, モレーノ & 鈴木)

ルイジ・ボッケリーニ《6つの小弦楽三重奏曲》作品47▼ラ・レアル・カマラ:若松夏美(ヴァイオリン), エミリオ・モレーノ(ヴィオラ), 鈴木秀美(チェロ)〔PGCD920313〕18世紀オーケストラにゆかりの深い3人が、その18世紀の終わり、つまり貴族社会が終焉…

バッハ《パルティータ》全曲 -- 武久源造

J・S・バッハ《パルティータ》全曲▼武久源造(ピアノ)〔ALCD1148/49〕バッハの百科全書的な傾向は「パルティータ」にも刻印されている。たとえば第1番の冒頭2曲の対置。「プレルディウム」は実質的にはくつろいだ雰囲気の18世紀風アルマンド。一方「アル…

フランス・クラヴサン音楽選集 − 渡邊順生

フランス・クラヴサン音楽選集▼渡邊順生(クラヴサン)〔ALCD-1147〕 クラヴサンは、チェンバロ(伊)・ハープシコード(英)を意味するフランス語。この楽器とそのための音楽は、17世紀から18世紀にかけてヴェルサイユとパリとで黄金期を迎えた。ルイ・クー…

永遠のカノン − 山岡重治&太田光子(リコーダー) 

「永遠のカノン」クヴァンツ《二本のリコーダーのための六つのデュエット》作品2▼山岡重治(リコーダー), 太田光子(リコーダー)〔MH3040〕1750年代のベルリンでは、音楽の理論と実践とが手を取り合っていた。エマヌエル・バッハの『クラヴィーア奏法試論…

ヘンデル《メサイア》− アイム&コンセール・ダストレ

エマニュエル・アイム(指揮), コンセール・ダストレ(管弦楽)〔WPCS12876/7〕レザール・フロリサンでクラヴサンを弾いていたアイムが、自身の楽団を率いて《メサイア》に挑む。独唱には英語圏の歌手を揃え万全の体制。20人の合唱は、精度と厚みとを両立す…

「ヴィヴァルディ ピエタ − 聖なるアリア集」− ジャルスキー

フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー&指揮), アンサンブル・アルタセルセ(管弦楽)〔WPCS12884〕いっとき万能細胞が話題になったが、万能な声があるとしたらそれは、ジャルスキーのカウンターテナーのことを指すのだろう。ただ彼の歌声は必ずしも…

バッハ《イギリス組曲》第1・3・5番 − アンデルシェフスキ

ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ)〔WPCS12882〕2014年の9月、バッハゆかりの街ケーテンで、アンデルシェフスキの《イギリス組曲》を聴いた。音色差と音量差とで声部の対話をあぶり出すスタイル。それに対してこの録音では、子音と句読点とで「音楽…

バッハ「ヴァイオリン協奏曲集」− カルミニョーラ&コンチェルト・ケルン

ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン), コンチェルト・ケルン(管弦楽)〔UCCA1100〕バッハは1713年、ヴェネツィアの作曲家の協奏曲を深く学ぶ機会に恵まれた。それがのちに、バッハ自身の創作の礎となる。つまりバッハの協奏曲群には、ヴェネツィ…

ジャン=フィリップ・ラモーの肖像 − 崎川晶子(チェンバロ)

ジャン=フィリップ・ラモーの肖像▼崎川晶子(チェンバロ)〔ALCD1146〕没後250年を迎えたラモーのチェンバロ曲を、「238歳」のオリジナル・チェンバロで弾く。フランス・クラヴサン音楽の魅力が折り重なるようにして音盤に収まっている。まずは楽器。3セッ…

モーツァルト 後期三大交響曲(ブリュッヘン&18世紀オーケストラ)

フランス・ブリュッヘン(指揮), 18世紀オーケストラ(管弦楽)〔OGCD921119〕2010年にロッテルダムで行われた演奏会のライブ録音。できれば時間をとって、3つの交響曲を通して聴いていただきたい。モーツァルトは最後の交響曲3作を、出版ないし上演のため…

モーツァルト《ピアノ協奏曲第18・19番》― 内田光子&クリーヴランド管弦楽団

モーツァルト《ピアノ協奏曲第18・19番》▼内田光子(ピアノ・指揮), クリーヴランド管弦楽団(管弦楽)〔UCCD1399〕内田光子とクリーヴランド管弦楽団によるモーツァルト協奏曲集の第4弾。「ピアノ協奏曲豊作年」の2曲を、独奏者の弾き振りで聴く。両者が目…

古典派オーボエ協奏曲集 ― インデアミューレ

古典派オーボエ協奏曲集▼トーマス・インデアミューレ(オーボエ), ミラン・トゥルコヴィッチ(指揮), エストニア国立交響楽団 〔CMCD28308〕オーボエの名手が独奏を、ファゴットの名手が指揮を担当した1枚。伝ハイドン、クロンマー、J・C・バッハの曲が…

バッハ&シューベルト ― 清水直子(ヴィオラ)

J・S・バッハ《無伴奏チェロ組曲第五番》▼シューベルト《アルベジョーネ・ソナタ》▼清水直子(ヴィオラ), オズガー・アイディン(ピアノ)〔MM2193〕ベルリン・フィル首席ヴィオラ奏者で、バロック・アンサンブルやソロ活動でも成果を上げる清水が、バッ…

モーツァルト《クラリネット協奏曲》― マルティン・フレスト

モーツァルト《クラリネット協奏曲》,《ピアノ, クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調》ほか▼マルティン・フレスト(バセット・クラリネット&指揮、クラリネット)▼レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)▼アントワーヌ・タメスティ(ヴィオラ)…

バッハ《管弦楽組曲》全曲 ― ラ・プティット・バンド

J・S・バッハ《管弦楽組曲》全曲 ― シギスヴァルト・クイケン(指揮), ラ・プティット・バンド(管弦楽)〔KKC5361〕同バンド2度目の全曲録音。1981年盤が「古楽」とすれば、今回は「古楽の古楽」というのがふさわしい。同曲はもともと宮廷でもてはやされ…

ハイドンと18世紀を彩った鍵盤楽器たち ― 山名敏之(古典鍵盤楽器)

ハイドンと18世紀を彩った鍵盤楽器たち 山名敏之(フォルテピアノ, クラヴィコード, チェンバロ)〔ALCD-9138〕読者には、このCDの封を開けたらただちにトラック1、5、9を聴き比べられたい。というのもこれらが、同じ曲を3つの異なる古典鍵盤楽器で弾いた…

パッヘルベル《恋人のため息》― 櫻田亨(リュート)

パッヘルベル《恋人のため息》― 櫻田亨(リュート)〔Nostalgia1203〕櫻田亨が11コース(ただし9組の複弦があるので20弦)の楽器で、17・8世紀のリュート音楽を奏でる。17世紀以降、フランスで発達したリュート奏法は、バロック期の鍵盤音楽のお手本にもなっ…

TBS Vintage Classics スメターチェク&東響:ドヴォルザーク《交響曲第八番》他

TBS Vintage Classics ドヴォルザーク《交響曲第八番》他▼ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮), 東京交響楽団(管弦楽)〔TYGE60013〕TBSの倉庫に眠っていたラジオ東京の音源を発掘し、シリーズ化したものの一枚。指揮者スメターチェクが1961年、東京交…

渡邊孝『J・P・スヴェーリンク鍵盤作品集』

J・P・スヴェーリンク鍵盤作品集, 渡邊孝(オルガン&ミュゼラー)〔ALCD-1140〕ベルリンから西に100km。エルベ川沿いの街タンガーミュンデには、17世紀に作られ20世紀の終わりに修復・再建されたオルガンが残る。渡邊はこの魅力的な楽器と、名工スコブ…

柴田雄康&花岡和生『二本のリコーダーによる「対話」』

二本のリコーダーによる「対話」, 柴田雄康&花岡和生(リコーダー)〔RGCD-1034〕17世紀フランスの宮廷歌曲、マラン・マレのヴィオール作品などを2本のリコーダー編曲で聴く。柴田と花岡のコンビが1980年に初演した広瀬量平の《オードII》も、《オードI》と…

ルネサンス舞曲集 ― マンロウ&ロンドン古楽コンソート

「ルネサンス舞曲集」デイヴィッド・マンロウ(指揮), ロンドン古楽コンソート(管弦楽)〔TOCE16279-80〕イギリス古楽運動の中興の祖マンロウのルネサンス音楽特集。ルネサンスと言っても、パレストリーナに代表される対位法的な宗教音楽ではなく、世俗曲…

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン『セクエンツィアとヒムヌス集』

エマ・カークビー(ソプラノ), クリストファー・ペイジ(ディレクター), ゴシック・ヴォイセズ 〔CDA 30009〕中世のベネディクト会修道女にして、歴史に名を残す最初の女性作曲家、ヒルデガルトの作品を集めた1枚。セクエンツィアはミサで、イムヌスは聖務…

プロイセンの宮廷音楽 ― ムジカ・レセルヴァータ(古楽アンサンブル)

「プロイセンの宮廷音楽」ムジカ・レセルヴァータ(古楽アンサンブル)〔ALCD-1139〕「とっておきの音楽」という名前を持つアンサンブルの「とっておきの一枚」。フリードリヒ大王ゆかりの作品を特集した。グラウンやヨハン・ゼバスティアン・バッハ、カール…

ブルックナー《交響曲第8番》― ケント・ナガノ&バイエルン国立管

ブルックナー《交響曲第8番》(1887年第一稿)〔KKC5338〕 ケント・ナガノ(指揮), バイエルン国立管弦楽団(管弦楽)音盤の成果は演奏家だけでなく録音技師にも帰する、というのは忘れがちなことのひとつ。この録音からは、音楽家の秀演はもちろんのこと…

ラモー:管弦楽組曲集 ― ジョルディ・サヴァール&ル・コンセール・デ・ナシオン

ラモー:管弦楽組曲集〔KKC5316〕 ジョルディ・サヴァール(指揮), ル・コンセール・デ・ナシオン(管弦楽)サヴァールの進める「フランス国王のオーケストラ」シリーズ第三弾。このたびはルイ15世期の音楽としてジャン・フィリップ・ラモーの管弦楽組曲を…

チャイコフスキー 交響曲第六番《悲愴》― 上岡敏之&ヴッパータール交響楽団

チャイコフスキー:交響曲第六番《悲愴》〔COCQ84840〕 上岡敏之(指揮), ヴッパータール交響楽団(管弦楽)現ザールラント州立歌劇場音楽総監督の、ヴッパータール交響楽団音楽総監督時代のライブ盤。チャイコフスキーの最後の交響曲で両者の蜜月を示す。…

《アレクザンダーの響宴》― アーノンクール&コンツェントゥス・ムジクス・ヴィーン

ヘンデル作曲, モーツァルト/モ―ゼル編曲《アレクザンダーの響宴 ― ティモテウス、または音楽の力》〔SICC30120/30121〕 ロベルタ・インヴェルニッツィ(ソプラノ), ヴェルナー・ギューラ(テノール), ジェラルド・フィンリー(バス), ウィーン楽友協会合…

ヤルヴィ& ドイツ・カンマーフィルの「ベートーヴェン:序曲集」

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮), ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(管弦楽)〔SICC10190〕ベートーヴェンの交響曲全集で成果を挙げたコンビによる序曲集。《プロメテウスの創造物》《コリオラン》《フィデリオ》《レオノーレ第3番》《エグモント…

フルシャ&都響のベルリオーズ《幻想交響曲》

ベルリオーズ《幻想交響曲》/ ヤクブ・フルシャ(指揮), 東京都交響楽団(管弦楽)〔OVCL-00504〕 都響の若き首席客演指揮者フルシャが「幻想」を振った1枚。いかに革新的とは言え、ベルリオーズは19世紀前半の作曲家。フルシャはベートーヴェンからの連続…